風信帖(1104)

 17年08月01日 | カテゴリ: ≪風信帖≫

 「書道で毛筆大好きの人々には、『いよいよ毛筆の時代が来た』と受け止められるのではと心配なのですが、これは決してそうではないのです」。長野氏は、小学校の先生たちを前にして力説した

▼新しい指導要領で小学1・2年生の「書写」に「水書用筆」が導入されることになり、むろん書道界には戸惑ったり警戒心を抱く人は1人もいないが、全国に40万人と言われる小学校の先生たちの多くはそうではない。小学校は全科担任制でどんな教科も教えるのが原則だから、先生たちの中には「毛筆」が始まる三年生から上の担任は持たないという人も少なくないと聞くほどなのである

▼免許法に「国語(書写を含む)」という規定が加えられて早30年近く。「書写」の単位を取って大学を出た先生が過半数を占める時代になったとはいえ、「書写」が好き、「書写」が得意という先生は限られている

▼だから長野氏が、「あくまでも硬筆のための水書」、と口を酸っぱく説くのも当然なのだ。従って書道界・書塾界としては、ここのところをしっかり認識し、学校教育と歩調を合わせながらの、賢い対応が求められよう。「同床異夢は避けたい」、「同じ寝床から違う空を見ることのないように…」。長野氏の言葉である。

(書道美術新聞 第1104号1面 2017年8月1日付)




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