風信帖(1100)

 17年06月01日 | カテゴリ: ≪風信帖≫

 《年鑑・書道》の過去38年間の変遷を確認するため、久しぶりに《1980》版を手にとってみて懐かしかった。

▼巻頭のグラフの第1ページには毎日展大賞の矢壁柏雲「乾坤一擲」の作品が載り、その次に日展大臣賞の杉岡華邨「酒徳」の作品が載っている。これは青山杉雨先生に「なぜ、日展大臣賞より毎日展の大賞が前なんだ」と叱られたもので、まだ書道界に不案内だった編集子のミスだった。青山先生にはよく叱られたものだ。
 
▼グラフページの次には、「エッセー」のページがあり、安東聖空、大石隆子、高田博厚(彫刻家)、池坊専永(華道家)、山口長男(画家)、奥田元宋(画家)の方々の、書に関する随想が載っている。本号で正筆会会長の黒田賢一氏のインタビューを載せているのも巡り合わせと思い、当時正筆会会長だった安東氏の一文を拾い読みしてみる。
 
▼「やすやすと楽に読めるということが、書の作品としてそんなに低級か」「やすやすと読める文字の内に心をこめることが、そんなにむつかしいことか」「深い心のこもらない難解な形の字を書くことが、そんなに高級なものであるのか」「五弁の単純な梅の花、…美しいではないか。神々しいではないか、このような文字を私は書きたい」。嗚呼!

(書道美術新聞 第1100号1面 2017年6月1日付)




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