風信帖(1091)

 17年01月15日 | カテゴリ: ≪風信帖≫

 奥野誠亮氏が亡くなった。昨年11月16日、満103歳だった。その2日前までは全くいつも通り過ごしておられ、前日、「ちょっと疲れた」と横になって、そのまま静かに息を引き取られたとか。まさに大往生であった

▼自民党の元代議士、元文部大臣としてよりも書道界にとっては、かつて書写・書道教育の振興のために青山杉雨・村上三島両氏を中心に全書壇が結集して立ち上げた日本書道教育会議の会長として大きな指導力を発揮、お世話になった方である

▼氏を会長に迎えるために最初に動いたのは上条信山氏で、どこかにも書いたが、その時上条氏に誘われて私も東京・原宿のご自宅に伺って奥野氏にお目に掛かり(以後、昨年まで30年以上も氏から年賀状を頂いた)、「そういう組織は大事だから、ぜひおやりなさい」と励ましてくださった

▼しかし会長就任は固辞されたので、青山氏の指令で奥野氏と同郷で同い年だった杉岡華邨氏が懸命に口説き漸くOKが出たという話は、知る人ぞ知る秘話。そんな関係から晩年は書道展にもよく足を運ばれ、昨年までは「20人展」でも必ずお会い出来た

▼なお、奥野氏は3男なので、生前都内の小さな寺院にご自分の墓所を用意されており、その墓標は古谷蒼韻氏の揮毫だ。

(書道美術新聞 第1091号1面 2017年1月15日付)




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