風信帖(1077)

 16年06月01日 | カテゴリ: ≪風信帖≫

 全国の33の省や市・自治区にしっかりした地方組織をもつ中国書法家協会。完全なピラミッド構造でほぼ全書法界を網羅し、結集した有力書法家の数は実に1万5千名を超えるという、準国家機関ともいうべき組織である

▼この組織が、彼の国を一党支配する党の下部組織であることは今回初めて知ったのだが、そうした関係であれば、その党が文字を素材とする表現芸術である「書」の在り方の指導に乗り出すのは、不思議でもなんでもない

▼ただ、われわれとして慎重に受け止めたいと思うのは、「過去のある一時期、書法界には、完全に書法芸術の歴史と伝統に背を向けた試みが行われたことがありました。しかしそれらは、完全に伝統を放棄したといえる現象で、おそらく書法芸術の向かうべき方向ではなかった」という劉氏の発言である

▼蘇氏の談話にあった、「近年、中国の書法は少し本流から外れた動きが目立っていたように思います。一部に、書法の歴史伝統を忘れて勝手気ままに書いてよしとするような風潮も見られました」「でも、中国書法の混乱の時期はもう終わりました」という発言と劉氏の発言に通底するものについて、十分に認識しながら、今後の彼の国との交流も考えていかねばなるまい。

(書道美術新聞 第1077号1面 2016年6月1日付)




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