風信帖(1070)

 16年02月15日 | カテゴリ: ≪風信帖≫

 文化審が今回、こうした形で漢字の字体・字形についての「指針」を示すことにした趣旨について、次のような説明をしている点は傾聴に値しよう

▼「近年、社会の変化と共に、漢字の文化が変質していくことが案じられている」「手書き文字と印刷文字との違いが、理解されにくくなっている」「文字の細部に必要以上に注意が向けられる傾向が生じている」…

▼そこで文化審は、これらの問題点を国語施策の課題として捉え、「指針」を漢字をより適切に積極的に運用するために活用してほしいと要望している。確かに、「当用漢字表」においても、「これらの文字を筆写(楷書)の標準とする際には、点画の長短・方向・曲直・つけるかはなすか・とめるかはね又ははらうか等について、必ずしも拘束しない」と明記していた

▼また、「常用漢字表」でも「字形・字体においての考え方は、当用漢字表を引き継いでいる」としているわけであるから、どうして「はねたら×」といった牴畄磴吻畊佑方が独り歩きすることになったのか、検証が必要だろう。今回の、本来問題にしなくてよい漢字の形状の細部の差異が正誤の基準とされたりすることのないように指針を作ったという説明には、取り敢えず素直に耳を傾けたい。

(書道美術新聞 第1070号1面 2016年2月15日付)




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