風信帖(1027)

 14年04月01日 | カテゴリ: ≪風信帖≫

 率直のところ、現段階までは予想通りの展開で、「これが限界でしょうね」としかコメントしようがない感じではある

▼むろん今回の五科の問題は、ある特定の内部告発者が名乗り出て、僅かながら"物証"も存在したのでメディアも報道に踏み切ったわけであり、それはそれで社会的には日展のイメージを損ね、日展が浅からぬ傷を負ったことは間違いないところだろう

▼だから日展という組織がこの"失地回復"のために目の色を変えるのは当然といえば当然だが、しかし結局は告発者以外に"被害者"が名乗り出ることはなく、このことで特別な巨利を得た個人や集団も存在せず、しかも問題が五科の運営を結果的にどうスポイルし、日展の「書」の質の如何に落としめたかも証明困難なところが、世間一般の不正問題と同列には論じにくい状況をもたらしているといえるだろう

▼とはいえ、今回の問題に付随して日展でも大臣賞や特選の選考・審査が密室化し馴れ合い的に行われてきた現実に改めて世間の目が向いた点は大きな成果であって、早急に改善すべき問題点である。だから、日展自身も繰り返し表明しているようだが、ここは一刻も早く外部審査員登用と審査プロセス公表のルールを設けるなど、改善策を講ずるべきだろう。

(書道美術新聞 第1027号1面 2014年4月1日付)




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