風信帖(1020)

 13年12月15日 | カテゴリ: ≪風信帖≫

 「報告者に書いてある通りです」、「報告書をよく読んでください」。記者会見で第三者委の委員長は、記者団の質問にこう繰り返した
▼「我々には強制調査権があるわけじゃないので、これ以上は調べても」、とも口にした。しかしこれは、調査には限界があったという意味でなく、「使命は十分に果たした」「我々は報告書には自信を持っている」という、長年法廷で鍛え抜いた“真相追及のプロ”としてのプライドの吐露のように感じた

▼「ヒアリングした審査員経験者は誰もが、『日展の審査で水準以下の作品を選んだようなことは、後も先にも絶対にない』と口を揃えていました。それはその通りだろうと感じましたね」とも述懐していたが、ここに一つのポイントがあるように思った

▼つまり、「だから、何が問題なんだ」と言わんばかりの日展関係者の意識に問題の根っこがありそうということで、百戦練磨の委員長はこういう言い方をした。「やはり、しっかりしたマネジメントがあるべきでしょうね」、「でも、日展は理事長以下、みなアーティストなんですよ」。つまり、聊か一般社会の常識とはかけ離れた部分もあるようだから、外部の人も入れてやってみてはという助言に聞こえたが、果たして通じただろうか。

(書道美術新聞 第1020号1面 2013年12月15日付)



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