風信帖(1017)

 13年11月01日 | カテゴリ: ≪風信帖≫

 「日展書道、入選を事前配分」「有力会派で独占」――。朝日の告発記事は、衝撃的だった。「あなた方がやっていることは、社会から見れば“不正”ですよ」と指弾されたに外ならない
▼今年の開幕2日前というタイミングも日展にとっては最悪で、これもメディア側の本気度を示したものかもしれぬ。文科省は直ちに、五科だけでなく全ての部門について「大臣賞」の授与を撤回したが、この迅速な対応ぶりも、お役所としては評価されそうだ。それだけ強い危機感をもったと同時に、元「文展」の不祥事に、本気で憤っている証しに違いない

▼一方、書道界はというと、「まさか?」と絶句し、“驚天動地”と猛り狂っている人が、どれほどいるのだろう。「大変なことになりましたね」「今後、どうなりますかね」と、誠に物静かな反応が大勢ではあるまいか。たぶんそれは、日展の五科にはこうした「長年の慣行」(いや、“弊風”)が厳然と存在することを、大概の人が先刻ご承知だからかもしれない

▼ともあれ、もはやこうなった以上、書道界はこの事態を“奇貨”とし、特に問題点を指摘された公募展システムについて、ここは後手を踏むことなく総点検に踏み切るくらいの“進取の気象”を示してみてはどうだろう。

(書道美術新聞 第1017号1面 2013年11月1日付)



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