(1)      (昭和51年6月7日第三種郵便物認可)美術新聞社報 平成29年(2017) 11月23日(木曜日)
≪風信帖≫
風信帖(1025)
投稿日時: 14年03月01日

 「世界四大博物館の一つ」とは、台北の故宮博物院のキャッチフレーズとして同院自体も使っているものだが、ではあとの3館はどこかとなると実は定説はないに等しい
 
▼それに台北故宮のコレクションは大半が中国美術なので、ルーブルなどの総合美術館と同列に置くのはどうかという見方もある。とはいえ、わが列島民族の立場からすれば、まさに紛うことなき「日本文化の淵源」の最高峰の名品揃いだから、その意味では「ザ・ミュージアム」だといっても、決して過言ではない

▼それほどの同院のコレクション展がこれまで実現しなかったのは、ひとえに国際政治絡みの事情によるものだが、2011年にわが国会が成立させた一本の法律が、状況を好転させたのである。「海外美術品等公開促進法」のサワリは何といっても、海外から借りた美術品等については、強制執行や仮差押え、仮処分といったことができないように(文科大臣が指定)できるという規定である

▼この“印籠”があれば、台北から借りた「神品至宝」に対してあの大陸政府が「オレのものだ」と横やりを入れることも、できないのだ。とはいえ、天下に並ぶものなき名宝の数々、しっかり鑑賞し堪能して、何事もなくお返ししなくては――。

(書道美術新聞 第1025号1面 2014年3月1日付)


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