(1)      (昭和51年6月7日第三種郵便物認可)美術新聞社報 平成29年(2017) 11月20日(月曜日)
≪風信帖≫
≪風信帖≫第891号
投稿日時: 08年05月01日

 この時代、われわれは急坂を転がり上がっているのか、落ちているのか、意見は分かれようが、とにかく最早抜け出すことの至難な“ITワールド”にどっぷり浸かって生きているのだから、身近に早晩こうした「書道具」が現れるだろうことも、まあ想定の範囲内。「e筆」と名づけられた用具が、いよいよ登場する...

▼この「e筆」、一度触ってみるとなかなかに賢く、便利で、書道界でも教育界でも、使ってみようと思う人は多いに違いない。もちろん、筆先が紙に接するあの独特の感触、抵抗感が全くないわけだから(擬似感触の機能をつけることは難しくない!?)、初めは当然ちょっと頼りない感じだが、いわゆる「空筆」の跡が形になって表れていると思えば、なるほど筆記具の範疇に入れていい“道具”ではあろうし、「慣れたら使えそう」と感想を漏らす人も多い

▼ただ多少怖い感じがするのは、「一品もの」としての書の基本性格が崩れることで、「e筆作品」は版画やブロンズ彫刻と同じように「エディション・ナンバー」をつけなければならなくなりそうなこと。でも教場では、高性能のコピー機を備えて、「手本」はもっぱらコピーに頼っている先生も多い時代でもあるし、「e筆」の活用範囲は広い――。

(書道美術新聞 第891号1面 2008年5月1日付)


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