“書道参加人口”4年ぶり増加

掲載日: 08年09月15日 | カテゴリ: 書道美術新聞【1面】

“書道参加人口”4年ぶり増加
「シニア化率」70%超
50代以上の書道参加者
『レジャー白書'08』から


 社会経済生産性本部(財団法人・谷口恒明理事長)は今年も、『レジャー白書’08 』(第32号)を発表した。

 『白書』によると、今回の調査での「書道」の参加率は3・5%で、これは前年比0・6ポイント増。

 この参加率をもとにはじき出した「書道参加人口」も、過去最低だった昨年より70万人増の390万人となったが、よりマクロな参加希望率8・0%(前年比0・4ポイント増)からみると前年の落ち込み分(マイナス0・6ポイント)を回復できていないことから基調に変化が見られるとはいえず、書道人口も依然として長期減少傾向から脱したとは言い難いようだ。(本誌7面に関連データ)
  同調査は1975年、当時の㈶余暇開発センターによって全国の人口5万人以上の都市に在住する15歳以上の男女3,000人規模のサンプリング調査として始まったもので、2000年からは㈶自由時間デザイン協会、2003年以降は現在の㈶社会経済生産性本部が引き継ぎ、調査を継続している。


 今回の調査は、08年1月に4部門91種目に関する前年1年間の活動実態の調査として得られた「参加率」データを、調査時点での総務省統計局の推計による15歳以上の人口1億1,046万人(男性5,342万人、女性5,704万人)に照らして「参加人口」を算出、合わせて活動回数や年間平均費用などについても、報告している。

 今回も例年通り3,000人を無作為抽出して実施し、この有効回答数は2,448で、回収率は81・6%となっている。


 『白書』によると、今回の調査での「書道」の参加率は3・5%で、これを参加人口に換算した数字は390万人(0・6ポイント、70万人増)となっている。

 参加率データを細かくみていくと、まず性別では男性が前年比0・3ポイント増の1・9%、女性は同0・8ポイント増の5・0%で、男女とも微増傾向を見せている。

 より詳しく参加率を年代別にみると、男性は▽10代(15歳以上)が3・7%(昨年比2・6ポイント減)▽20代が1・1%(同1・5ポイント減)▽30代が0%(同1・3ポイント減)▽40代が1・1%(同0・5ポイント増)▽50代が1・5%(同1・5%増)▽60代以上が3・9%(同1・5ポイント増)となっており、また女性は▽10代(15歳以上)が9・4%(昨年比2・1ポイント減)▽20代が1・7%(同2・2ポイント減)▽30代が2・5%(同2・1ポイント増)▽40代が1・9%(同1・0ポイント減)▽50代が5・7%(同0・9ポイント増)▽60代以上が9・1%(同2・7ポイント増)で、10代、20代で大幅な減少がみられる一方、30代と60代以上では大きな増加がみられ、全体の動向を決定づけているといえる。


 これにより、1996年以降の「書道」の参加人口の推移は以下の通りとなり、特に昨年までの4年間の低調ぶりが際立っている。

▽1997 670万人
▽1998 650万人
▽1999 450万人
▽2000 520万人
▽2001 530万人
▽2002 460万人
▽2003 530万人
▽2004 470万人
▽2005 410万人
▽2006 320万人
▽2007 390万人

 また、広い意味での「書道予備軍」を意味する数値といえる「参加希望率」を基に算出した人口を広義の狃馥賛邑瓩箸箸蕕┐襪函∈2鹹敢困任錬牽牽核人(前年比47万人増)となっている。


 一方、年間平均活動回数は前年より9・4回減って25・0回となり、前年に比べて大きく落ち込んでいることが懸念材料といえる。


 なお、合わせて報告されている「部門別余暇活動消費規模」のデータをみると、「書道」参加者の年間平均費用は、前年比900円増の3万4、400円となっており、内訳をみると、用具等が1万3、400円で前年比7、100円増、会費等が2万1、000円で同6、200円の減となって、前年の費用の増減の動きとは逆の傾向を示している。

 そして、これにより『白書』が試算している「書道」の近年の犹埔豕模瓩凌箘椶鬚澆襪函

▽1997 1190億円
▽1998 1250億円
▽1999 1260億円
▽2000 1100億円
▽2001 1080億円
▽2002 1050億円
▽2003 1080億円
▽2004 1010億円
▽2005 900億円
▽2006 820億円
▽2007 750億円

 となっており、年々市場規模の縮小傾向に拍車がかかっている。


 また今回の調査では、各余暇活動種目の「シニア化率」として、参加人口に占める50代以上の比率を10年前の1997年調査のデータと比較して報告しており、書道では10年間でシニア化率が56・0%から70・1%へと14・1ポイントも上昇した実態を示している。

 少子高齢化社会の進展で日本の人口構成の高齢化が進む中、余暇活動の参加者の平均年齢も一部の例外的な種目以外はおしなべて上昇傾向を示していることから、必ずしも書道だけ高齢化が進んでいるわけではないが、しかし書道の属する趣味・創作部門でシニア化率が70%を超えているのは、書道のほかにはコーラス、演芸鑑賞、お茶、おどり(日舞など)、洋舞・社交ダンスのわずか五種目で、一方、お花は59・0%、絵を描く・彫刻するは53・1%、陶芸は55・7%、手芸などは47・4%で、周辺種目と比較してみても、やはり高齢化は一つの問題点として浮上しているといえよう。


 なお、今年の同『白書』では、19年度の余暇関連産業・市場の動向として、「書道は30代〜50代女性で高い潜在需要が見られる」と分析している。



(書道美術新聞 (第899号) 2008年9月15日版 1面)



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