「北海道書道サミット」開く

掲載日: 08年08月01日 | カテゴリ: 書道美術新聞【1面】

「北海道書道サミット」開く
“明日”熱っぽく討議

内外7氏、コーディネーター小原氏
 日本書道評論社・小原道城書道一門展実行委員会の主催による国際パネル討議「北海道書道サミット」が7月3日午後、札幌市民ギャラリーで開催された。


 同討議は、「書道王国・北海道から世界に発信」と銘打って小原道城氏(毎日書道会審査会員)をコーディネーターに、大きな曲がり角に立つ東アジア漢字文化圏の書道文化と書芸術の犧F瓩鉢猝斉瓩砲弔い董国内外から招かれた書家、ジャーナリスト、文化事業・美術館関係者らの多彩なパネリストがそれぞれの立場で現状分析や将来展望について報告、さらに会場の参加者らも加わって、熱っぽい討議を繰り広げた。


 中では例えば、少子高齢化や学校教育の変質などに伴って書を取り巻く環境が急速に厳しいものとなりつつある状況は各国とも非常に似通っている一方で、書の存在感がもっぱら展覧会活動に偏る日本の社会状況と、現代書作品が広く認知され社会的に浸透する中国との際立った対比が浮き彫りになるなど、国際会議ならではの示唆に富む討議内容が注目された。


 当日、パネリストを務めた劉石友(中国書法家)、崔光烈(韓国ジャーナリスト)、井上脩身(毎日書道会関西支部長)、萱原晋(美術新聞社社長)、太田文子(『墨』編集長)、斉藤千鶴子(北海道立函館美術館学芸員)、山田太虚(書究文化書芸院代表)らの各氏は、最後に「北海道書道サミット宣言」を採択して3時間に及んだ討議を締めくくった。


北海道書道サミット宣言(骨子)

 【現状認識】
 (1)少子高齢化、書道人口の急減という深刻な状況については日本だけの特殊な状況ではなく、各国とも大同小異
 (2)日本における展覧会の隆盛は一見喜ばしいともいえるが、それがおしなべてマンネリ化を来たしていることは残念な現実
 (3)かかる状況を打破するためには、従来にも増して各国・地域の関係者が情報交換を密にし、力を合わせなければならない。


 【行動目標】
 (1)漢字文化と「書」が人類の文化の続く限り未来永劫にわたり不滅であることを確信し、力を合わせて21世紀の「書」を拓き、また築き上げるべきこと
 (2)21世紀の「書」は、もっと手軽に、もっと楽しく、「書」の醍醐味を一層万人のものとする取り組みが求められる
 (3)21世紀の「書」の国際化の決め手の一つとして、「篆書ルネサンス」を考えたい。漢字の原初書体である篆書を素材とした「書」表現の追求が、大きな可能性をもつと考える
 (4)これからの「書」は、思い切った発想の転換も必要だ。複数名で一字ずつ、一行ずつ分担揮毫するといった方法も「書」に新たな魅力をもたらす可能性がある。こうした、先入観にとらわれない発想こそが、「書」に新たな地平を拓くものと考える。



(書道美術新聞 (第897号) 2008年8月1日版 2面)



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