28年度版中学「書写」教科書”合格”

掲載日: 15年04月15日 | カテゴリ: トップ記事

出揃った5社の新教科書5種光村版等、5社5種
大日本図書撤退
文科省“検定結果”発表



 文部科学省は4月6日、28年度から全国の中学校で一斉に使われる新教科書の検定結果を公表した。「ゆとり教育」からの脱却を打ち出して改訂された20年版新学習指導要領に基づき編集された教科書としては、22年度の検定を経て、24年度から使用されている現行版以来4年ぶり、2度目の検定。

 国語科「書写」では現行版は6社の6種の教科書が使われているが、今回の検定に申請が出された「書写」の新版教科書は前回より1社少ない5社からのいずれも1〜3年生用の統合版、合わせて5種ですべて合格した。(本紙7,8面に関連記事)
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 今回の検定で「書写」教科書を申請した出版社は前回より1社減って5社。これは前回申請を見送った日本文教出版に代わって新規参入した大日本図書が撤退したことによるもので、中学校用「書写」教科書が5社体制となったのは初めて。10年版の学習指導要領のスタート時の8社体制と比べると、その差は際立っている。さらに今回は、5社の教科書が全て1〜3年生用の統合版(1冊本)となっていることも目を引く点で、前回は1冊本が2社、1年生用と2・3年生用の2分冊が4社で、検定に合格したのは6社の10種の教科書だった。


 今回検定に合格した各社版とも、新学習指導要領による小学校「書写」の新しい指導理念や内容を踏まえ、それぞれに「基本点画」や「筆圧」「穂先の動き」などをはじめ、行書の着実な定着を目指して「なぞり書き」の新設や、「行書導入での教材見直し」「楷書と行書の比較」など、行書学習への工夫が顕著となっている。


 また、新教科書では5社版のすべてが3学年分を統合して1冊本化したものとなり、学年の枠を越えた教材・資料の共有や、3年間を通した学習の見通し、復習の便などを図っている。頁数については、5社中3社が増頁を行っており、平均では7・2頁の増となっている。判型については全社がB5サイズをベースとするが、中には横幅を10〜24棲板イ靴峠颪込み欄を設けるなど、他社との差別化を図っている例も見られる。


 文科省によれば、今回の中学校用「書写」教科書の検定に当たって申請本の不備や欠陥を指摘した「検定意見」は、光村図書が2件、教育出版が16件、東京書籍が18件、学校図書が12件、三省堂が2件の計50件で(別項表参照)、平均1社10件。これは4年前の検定時の平均8件とほぼ同規模となっている。




【各社版著者等一覧】

◆光村図書『中学書写』=宮澤正明、甲斐利恵子、住川英明、高木聖雨、高木まさき、中村史朗、樋口咲子、藤井浩治(以上著作者)市原恭代、澤田真弓(以上校閲者)
◆教育出版『中学書写』=角井博、加藤祐司、長野秀章(以上監修)、牛丸好一、岡田直樹、木村博昭、釼持勉、染谷由香理、玉澤友基、辻井義昭、豊口和士、服部一啓、渕脇貴子(以上編集・執筆)名越斉子(特別支援教育監修)
◆東京書籍『新編−新しい書写』=平形精逸(編集代表)、宮崎葵光、青山浩之、浅井哲司、伊織蘇峰、押木秀樹、菅野智明、齋木久美、高橋正人、和田俊彦(以上編集・執筆)、飯島春美、衣川彰人、千々岩弘一、松清秀一(以上校閲)
◆学校図書『中学校書写』=渡部清(著者・執筆・監修)、西口雅子(著者・執筆)、鶴田一雄、青木努、山本義男(以上著者)、田中良広(ユニバーサルデザイン校閲)、金子健(カラーユニバーサルデザイン校閲)
◆三省堂『現代の書写』=中洌正堯(監修・編集)、松本仁志、小西憲一、小林比出代、谷口邦彦、新田直美、三浦和尚(以上編集・執筆)、笹森洋樹、溝上陽子(以上校閲)


 なお、これらの新教科書は5月以降、今夏の採択商戦に向けて全国の教科書センター等でそれぞれ申請本・検定意見・見本本が以下の通り一般公開される予定。
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▽東京:5月26日〜6月18日(教科書研究センター/筍娃魁檻毅僑娃供檻苅械隠院
▽青森:7月7日〜15日(県総合社会教育センター/筍娃隠掘檻娃械后檻隠横毅院
▽栃木:7月7日〜16日(栃木県庁昭和館/筍娃横検檻僑横魁檻械械牽后
▽静岡:6月10日〜19日(県立中央図書館/筍娃毅粥檻横横院檻械隠娃供
▽京都:6月3日〜12日(府立図書館/筍娃沓機檻苅隠粥檻毅牽械院
▽広島:6月10日〜19日(県立図書館/筍娃牽押檻横苅院檻苅坑坑機
▽熊本:7月11日〜22日(県立図書館/筍娃坑供檻械牽粥檻毅娃娃亜



(書道美術新聞 第1051号1面 2015年4月15日付)



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