「書聖・王羲之」開幕

掲載日: 13年01月01日 | カテゴリ: トップ記事

特別展 書聖・王羲之
22日、東博で開幕へ
名品網羅 初の本格“王羲之展”実現


 特別展「書聖・王羲之」が1月22日、東京・上野の東京国立博物館で開幕する(3月3日まで)。
 
 同展は、日中国交正常化40周年を記念して毎日新聞社・NHKなどが主催するもので、特に米国・プリンストン大付属美術館蔵の「行穣帖」が10年ぶりに日本で見られるほか、日本に伝わった名宝「喪乱帖」、「孔侍中帖」、また昭和40年代に国内で手鑑中から発見された「妹至帖」等の搨摸本(とうもほん=双鉤填墨本)の名品をはじめ、複数の「蘭亭序」刻本や、王羲之関連の作品、法帖等が合わせて約160件出品されることになっている。
 
 国内ではこれまでに、「蘭亭序」などの特集展示は前例もなくないが、こうした本格的な「王羲之展」は初めてとなる。
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 同展は、王羲之関連の資料による序章から、第1章「王羲之の書の実像」、第2章「さまざまな蘭亭序」、第3章「受容と展開」の各パートで構成され、国宝等を含む王羲之関連の書蹟資料類を幅広く一堂にして、「書聖」として今なお多くの信奉者、愛好者をもつ王羲之の書の全体像に迫る狙いの企画として注目される。
 
 
 まず、第1章で展示される「行穣帖」は、平成15年に大阪で開催された日本書芸院の特別展で短期間展示された前例があるだけで、今回は東京で展示されることもあり、必見の目玉作品といえる。
 
 同帖は唐時代の模本とされ、北宋の徽宗、清の乾隆帝、嘉慶帝などの鑑蔵印や跋文があり、当時内府に蔵されていたことが分かる。
 
 特に乾隆帝については、冒頭に紙を継いで書き入れた王羲之書に対する有名な評語、「龍跳天門虎臥鳳閣(龍が天門に跳ね、虎が鳳閣に臥す)」の一書を合わせて見ることができる。
 
 僅か2行15字の断簡ながら、明代には「余清斎帖」にも刻入された名品として知られる。
 
 書風は「姨母帖」(「万歳通天進帖」所収)との類似が指摘され、王羲之の初期の書風を伝えるものと考えられている。
 
 またこのパートでは、唐時代の摸本の名品中の名品として名高い、日本に伝来した「喪乱帖」(宮内庁三の丸尚蔵館蔵)と「孔侍中帖」(国宝、前田育徳会蔵)、また「妹至帖」(個人蔵)等も展示される。
 
 
 第2章では、さまざまな「蘭亭序」の刻本(拓本)が展示の中心。
 
 王羲之が永和9年(353)に会稽(現浙江省)で友人らとともに催した雅会(曲水の宴)の際に編まれた詩集の序文である「蘭亭序」が、以来長く行書の典範として珍重されてきたことは広く知られている。
 
 また、宋時代には「蘭亭序」を家刻することが流行したこともあり、一説には数百種の「蘭亭序」が存在するともいわれるが、それらの刻本の原典となったのは欧陽詢の模本を基にしたとされる定武本系が中心で、このほかでは許彦先本や独孤本などという。
 
 
 またこのパートでは、蘭亭での雅会の様子を描いた「蘭亭図巻」(万暦本)も全面展示される。
 
 
 第3章では、唐時代以降、書人らの間で最大の規範として神聖視された王羲之書がそれぞれの時代にどのように受容され展開したかをテーマに、関係する書蹟類が多彩に展示される。
 
 例えば、王羲之7世の孫とされ、王羲之書法の継承に大きく貢献したと位置づけられる隋代の智永の「真草千字文」や、元代に王羲之書法を再興したとされる趙孟 の「行書蘭亭十三跋」、また明末清初期に連綿草で新境地を開いた王鐸の「臨二王諸帖軸」、清の宣統帝による「蘭亭序」の字句を使って書いた「楷書七言聯」などがこのパートの見どころだが、さらにこれらと対比する狙いで、碑学派の書蹟の展示も計画されている。
 
 
 主催者によると、まだ流動的な部分もあるというが、現時点(12月25日現在)で固まっている主な出品内容は以下の通り。(略

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(書道美術新聞 第998号1面 2013年1月1日付)



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