2012日展【五科[書]審査総評】

掲載日: 12年11月01日 | カテゴリ: トップ記事

【審査総評】五科審査主任・新井光風

 伝統と歴史と、その質の高さを誇る日展第五科・書。応募点数は今年も、1万点を超えた。入選作品が1割にも満たない厳選の状況は、今年も続いている。

 入選作品の選出に当たっては、わが国の書の美を代表する日展という舞台にふさわしい、書の本質的内容を内蔵した「いい作品を選ぶ」という心構えで臨んだ。古典によって基盤を築き、古典を乗り越えて新風を吹き込み、自らの道を切り開いた意欲的な作、書の根源的な線そのものの比重を高め、書の本質を追求する作など、確かな方向性を示す作品は評価されている。

 調和体作品は歴史が浅く種々の問題も含んではいるが、線を尊重する本来的な姿勢のきざしが見え始めてきたように感じる。また、師風追従形の作品は次第に少なくなってきた感があり、進歩の1つと受け止めている。総体的にみて、種々の面で期待が持てる今年の五科だと思う。


(書道美術新聞 第994号1面 2012年11月1日付)




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