高校書道教員採用 回復のきざし

掲載日: 11年06月01日 | カテゴリ: 書道美術新聞【1面】

「書道」教員採用試験実施都道府県数5年間“右肩上がり”
20県超える
一方に“ワースト”都道県


 美術新聞社では今年も、今夏に全国の各都道府県で実施される公立高校の教員採用試験(24年度採用)における芸術科「書道」の試験実施状況の調査を行ってきたが、その結果、実施するのは青森、栃木、群馬、埼玉、千葉、富山、三重、大阪、和歌山、岡山、徳島、佐賀、大分、宮崎、沖縄の前号既報の15府県と、本号で新たに報道(別項)した山形、兵庫、奈良、広島、香川、鹿児島の六県の計21府県で、平成12年度(2000)以来では初めて20県を超えたことが分かった。(本紙4面に関連記事)
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 この実施状況の推移を図示したのが上のグラフで、本紙が全高書研(全日本高等学校書道教育研究会)の大会等での危機感の高まりを受けて年次調査の実施に踏み切った12年度採用(11年に試験実施)の当時から長期低落傾向が17年度まで続き、その後の横ばい期を経て、21年度からは五年度連続で右肩上がりの回復基調となっていることが分かる。
 
 
 とりわけ近年は、今年の群馬県の「30年ぶり」をはじめ、昨年の兵庫の「25年ぶり」、一昨年の徳島の「30年ぶり」や、沖縄の「ちょっと分からない、数十年ぶり」(同県の担当者)などの話題性に富むケースも目立ち、これらに20年度採用で「13年ぶり」に猊帰瓩靴紳膾紊盍泙瓩董久々に採試を実施した各府県はその後もほぼ毎年実施し続けていることを考えると、全国の各県立高校の書道教員採用に係る問題は、どうやら最悪期を脱したともいえそうだ。
 
 
 また、こうした中では、県の規模も決して大きくはない富山が13年間欠かさず実施し、埼玉も13年間のうち11回実施といった成績優良なケースや、17年度採用で「50年ぶりに実施しなかった」岩手(今年は不実施)のケースなども特筆されよう。
 
 
 従って、過去13年間のデータで見る限りでは、“打率”十割の模範打者はこのように富山のみ。
 
 そして、8割超の岩手、埼玉に続くのは、6割超の鳥取と佐賀、5割超の福井、4割超の千葉、和歌山、岡山、高知となっている。
 
 
 とはいえ、こうして「明るいニュース」として上掲のグラフをご覧頂いている裏側で実は、北海道、岩手、宮城、秋田、福島、茨城、東京、神奈川、新潟、石川、福井、山梨、長野、岐阜、静岡、愛知、滋賀、京都、鳥取、島根、山口、愛媛、高知、福岡、長崎、熊本の計26都道府県については実施していないという現実があることも、しっかりと認識しておかなければならないわけである。
 
 
 また、これらの本年不実施の各都道府県の実績を見てみると、13年間にわずか二回が栃木、長野、岐阜、長崎、熊本で、兵庫も2回だがこれは昨年久々に復帰したケース。
 
 また1回は静岡、三重、滋賀、京都、奈良、香川で、群馬は今年が久々の1回である、そして、北海道、秋田、宮城、福島、東京、神奈川、石川、愛知、福岡の9都道県は調査データのある13年間に1回も採用試験を実施しておらず、高校数などの規模からすると、北海道、東京、神奈川、愛知が爛錙璽好噺羯猷鉢瓠!、と指摘しておくことにする。



(書道美術新聞 第962号1面 2011年6月1日付)



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