第51回全書研「愛知大会」開く

掲載日: 10年12月15日 | カテゴリ: 書道美術新聞【1面】

第51回全書研「愛知大会」全体会風景「生涯学習」見据えて
“順次実施”迫る
新指導要領下の“書写・書道の方法論”熱議


 第51回全日本書写書道教育研究会(全書研=長野秀章理事長)の〈愛知大会〉が11月18、19の両日、名古屋市のルブラ王山を会場に開催された。
 全国の小学校〜大学の全学校段階の関係者が参加する書写・書道教育界最大の教研組織である同研の今年の大会は、全国から例年を大きく上回る関係者らが参加し、新学習指導要領が来年度から小・中・高校で順次実施されるのを受け、「生涯学習」体系を見据えた今後の書写・書道の在り方などについて、とりわけ熱っぽい討議や研究発表が繰り広げられた。
 ◇ ◇ ◇小学校部会研究協議風景同上会場のルブラ王山中学校部会研究発表風景

 全書研としての〈愛知大会〉は、昭和41年、62年に続き23年ぶり3回目。
 今年の大会は「生涯学習の基礎・基本を築く書写書道教育」をメーンテーマに、小学校は「生活や学習の場での生きる書写能力の育成」、中学校が「文字文化を意識した書写能力の育成」、高校が「生涯にわたって書に親しみ、愛好する態度の育成」、大学が「書写・書道教育に資する学校教育支援のあり方」をそれぞれサブテーマに掲げて、各部会ごとに研究発表や分科会・研究協議などが多彩に行われた。
 
 「生涯学習」をメーンテーマに組み入れたのは17年ぶりだが、今回大会は「書道」がこれまでわが国の重要な伝統文化として位置付けられてきたという認識が将来も持続するのか否かという役員陣の問題意識から、さらに「基礎・基本」の語もテーマに加えられた。
 内容的には、生涯にわたって書を愛好する心情の育成を最終目標に、基礎・基本を学ぶ初等から高等教育までの書写・書道教育の円滑な連携や社会の教育力を助長する方法論の構築の必要性、また学校と社会との連携協力関係の構築の緊要性なども念頭に、幅広く共感の得られるテーマ設定となっている。
 
 日程的には、まず初日の11月18日の午後2時30分から受付、3時から副理事長会と常任理事会・都道府県代表者会議を開き、21年度の事業報告、決算報告、監査報告などを承認、また22年度予算案、事業計画案、大会要望書などを決定した。
 
 翌19日は、午前9時半から各部会に分かれて以下の10件の研究発表が、その後各部会別テーマによる分科会(研究協議)が行われた。
 
 公開授業は、今年は行われなかった。
 
【中学校部会・研究発表】
▽「文字に関心をもち、目的に応じて書き方を工夫できる書写指導」=戸田真(長良中)
▽「文字への興味を大切にした指導−小・中の関わりを通して」=西田瑞枝(犬山中)、新井孝昇(楽田小)
▽「毛筆を通して、想いを伝える書写指導−一行詩に言葉と文字で想いを書く」=長谷家泰、河合佐知子、繁田幹江(以上千郷中)
 昼食休憩後は、午後1時10分から開会式・総会が行われた。
 総会では、広瀬裕之副理事長の開会の言葉、長野秀章理事長の挨拶のあと、21年度の事業報告、決算報告、監査報告と、22年度の役員改選に関する案件、同年度事業計画案、予算案、「大会要望書」案などが、いずれも原案通り可決・承認された。
 
 午後2時10分からの全体会では、各部会の分科会報告と、平形精一副理事長による講評、加藤泰弘・文科省初中局教科調査官による「新学習指導要領とこれからの書写書道教育」と題した基調講演が行われた。
 終了後は、恒例の懇親会が催され、全日程を終了した。
 
 なお、来年度の第52回大会は〈京都大会〉として11月10、11の両日、京都市のルビノ京都堀川(1日目)、総合教育センター(2日目)を会場に開催されることが、本決まりとなった。



(書道美術新聞 第951号1面 2010年12月15日付)



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