第21回書学書道史学会大会開く

掲載日: 10年11月15日 | カテゴリ: 書道美術新聞【1面】

9会員、熱こもる発表
広島・安田女子大を会場に
「陽明文庫特別展」併催


 書学書道史学会(大橋修一理事長)の第21回大会が10月23、24の両日、広島市安佐南区の安田女子大学を会場に開催された。今年の同大会は昨年同様、初日に理事会・総会・記念イベント・懇親会を集中的に行い、研究発表は2日目にまとめて行うスケジュールが採用されたこともあり発表件数は計9本に留まったが、理事2名を含む有力会員と若手クラスで構成された発表メンバーのバランスもよく、内容のある研究発表が熱っぽく展開された。
 また記念イベントは、開催校側の協力もあって陽明文庫の名品を2日間だけ展示した「陽明文庫特別展」が、同文庫長・名和修氏の特別講演もあって大きな盛り上がりを見せた。今年の参加者は約100名だった。(本紙9面に発表要旨)
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 大会は10月23日午前11時からの第49回定例理事会で幕を開けた。大会当日の定例理事会開催は、学界を取り巻く環境が年々厳しくなっていることから役員の負担軽減を図るためもあって、昨年度から導入された新機軸で、これにより理事会のスタートも当日始発で東京を出れば出席が可能な時刻からに設定された。
 
 
 定例理事会は例年、全国各ブロックからの諮問委員らもオブザーバーとして参加する習いとなっているが、今年度は今春新たに発足した第11期役員会の方針で諮問委員を従来の役員会の臨時的ポスト的なものから変更し、会則上に位置づけを持った正規の役員ポストに格上げすることとなったため依嘱手続きが保留されており、今回は諮問委員の出席はなかった。
 
 
 今年もほぼフルメンバーが揃った理事会では、前期決算・監査の両報告を前期役員会の理事長・事務局長・監事において行う基本方針が決まっていたことから、前任事務局長が代表で特例出席して審議に参加し、総会提出の22年度事業報告と同決算、監査報告をはじめ、新年度事業計画・予算案等の所定案件をそれぞれ決定。また、諮問委員や研究局・学術局の職掌等に係る会則改正案の総会発議手続きを正式決定したほか、各部局の機能強化、ホームページの活性化をはじめとする学会活動の活性化策などについて、熱っぽい協議を行った。
 
 
 大会は、12時30分から受け付け開始、午後1時10分からの本年度総会でスタートした。総会は大野修作理事の司会で、澤田雅弘副理事長による開会の辞、安田女子大学学長補佐・文学部長の斎木泰孝氏による挨拶、大橋修一理事長の挨拶の後、富田淳常任理事を議長に選出して議事に入り、▽21年度事業報告・会計報告(萱原晋前任事務局長)▽監査所見(杉浦妙子監事代読)▽編集局報告(中村伸夫局長)▽学術局報告(森岡隆局長)▽国際局報告(河内利治局長)▽国内局報告(横田恭三局長)▽研究局報告(澤田雅弘局長)▽会報委員会報告(柿木原くみ委員長)▽22年度予算案・事業計画案説明(鈴木晴彦事務局長)などの各報告・議案をいずれも満場一致で承認・可決して、全ての議事を終了した。
 
 
 引き続いて2時20分からは、名和修・陽明文庫長による特別講演「近衛家伝世書の資料」と、「陽明文庫特別展」「金石碑帖善本展」「井上桂園特別展」等の鑑賞会が行われた。特に「陽明文庫特別展」では、同文庫所蔵の古筆や墨跡、趙孟 の真跡や近衛家煕の臨書資料などの名品を前に、会員らは時間の経つのも忘れて見入っていた。

 
 鑑賞会終了後は、同大キャンパス内のまほろば館カフェテリアに場所を移して恒例の懇親会が和やかに催された。
 
 
 翌24日は午前8時40分から受け付け、9時10分から9件の研究発表が行われた。

 
 研究発表は、まず11時50分までの午前中に、(1)「『風信帖』の書風形成に関する一考察」金周会、(2)「四天王寺国際仏教大学恩頼堂文庫蔵『筆体口伝』についての一考察」金子馨、(3)「楷書風格の一考察‐欧陽詢を中心に」藤森大雅、(4)「光悦筆和歌巻に見る書の特質」根本知、(5)「三枚の賈道聞浮図 拓本‐出土文物の考証」志民和儀、の計5件の発表が行われた。

 
 昼食休憩時間には、昨日に引き続いての特別展鑑賞や、同大学生による書道パフォーマンスの観賞時間が設けられ、引き続き午後1時30分から、(6)「唐人・十二月朋友相聞書」高木義隆、(7)「楊淮表紀拓本比較考」谷口邦彦、(8)「書表現における造形意識について‐絵文字・鏡文字の展開を中心に」笠嶋忠幸、(9)「陳介祺と呉大澂‐往復書簡にみる金石学の交流」中村伸夫、の計4件の研究発表が行われた。

 
 その後、閉会式に移り、同大文学部教授の信廣友江理事による閉会の辞によって、大会の全日程を終えた。

 
 なお、来年度の大会は平成23年11月に、東京の大東文化大学板橋校舎を会場に開催の予定となっている。

 
 同学会に関する問い合わせ等は、筍娃魁檻械苅僑押檻毅横毅院FAX03−3464−8521、美術新聞社内の同事務局へ。



(書道美術新聞 第949号1面 2010年11月15日付)



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