“文字文化検定”始動

掲載日: 17年10月01日 | カテゴリ: トップ記事

狢茖渦麒拔会瓩劼蕕
本社、諮問委員らと討議、意見交換
(社)国際書体検定協連携へ

 美術新聞社は、本社が目下構想中の「文字文化検定」に関する「第1回勉強会」を9月23日、東京・品川区の大崎ウエストギャラリー内の会議室で開催した。
 ◇ ◇ ◇

 この勉強会は、これに先立って過日、本社内で行われた、加藤祐司・東京学芸大名誉教授、長野秀章・同名誉教授、宮澤正明・山梨大教授の三氏と本社・萱原晋代表による意見交換会に続くもので、

今回の「勉強会」には平形精一・静岡大名誉教授、荒井一浩・東京学芸大付属高教諭、青山浩之・横浜国立大教授と、萱原・本社代表、島田幸吉・(社)国際書体検定協会理事長の5氏が出席した。

会議ではまず本社側が、

 「この構想はあくまでも、今春告示された新学習指導要領の本文に『文字文化』の文言が初めて盛り込まれたことを大きな僥倖(ぎょうこう)とみて、これを『書写・書道』の将来の強化充実に資するとともに、社会一般の『書写・書道』に対する理解度、認知度の向上にも微力を尽くす狙いで、実現をめざしている」


 などとする「基調報告」を行い、これを受けて熱のこもったブレーンストーミングが繰り広げられた。


 また、島田理事長からは、既に五年に及ぶ活動実績を持ち、来たる11月には第10回の検定を実施予定で準備を進めている同検定協会として、


 「美術新聞社の今回の構想は大変有意義と考えて全面的に支持しており、当検定協会の路線とも非常に近いので出来る限り協力していきたい」


 などとする意向が示された。本社は、この構想についてはその狙いや目的から株式会社の事業として直接手掛ける形ではなく、公益的な組織での事業化を目指したい考えのため、島田理事長のこの意向表明を受けて、今後同協会との連携へ向けた協議を積極的に進めたい考え。


 また本社では、社内的には既に構想の実現へ向けた準備作業を「猜源文化検定瓮廛蹈献Дト」として始動させており、社内外の関係資源や知見の結集を図るため、関係分野の専門家、学識経験者に広く「顧問・諮問委員」として助言を仰ぐための要請を行っている。

先の意見交換会や今回の勉強会に出席願った教育界の6氏はいずれも、そうした要請を快諾頂いた立場で、ご協力くださっている。


 こうしたことから本社では、構想の新聞発表(4月1日付)からこれまでに幅広く寄せられている読者からの助言・提言や、また「顧問・諮問委員」各氏との会議などを通して寄せられた意見等を踏まえて早急に論点整理を進め、10月中にも「第2回勉強会」を開いて構想の具体化に向けた作業に入る方針で、準備を急いでいる。


 第1回勉強会で美術新聞社が行った「基調報告」の要旨は、以下の通り。


目指すは、「書写・書道における文字
文化」「文字文化としての書写・書道」


 【基調報告】今春、告示された小・中学校用の新学習指導要領において、中学3年の「書写」の指導事項に「文字文化の豊かさに触れ、効果的に文字を書くこと」という記述が盛り込まれました。

また、先の中教審答申を踏まえて本年度中に告示される予定の高校用の新指導要領においても、「国語」の指導事項に「文字文化(書写を含む)」という画期的な文言が入る可能性が高まっております。


 この「文字文化」という文言は、これまでも国語科「書写」の『指導要領・解説書』においては、「文字文化に親しみ」とか、「文字文化に関する認識を育成し」などといった記述として入っておりましたので、そう珍しいものでないことはご承知の通りであります。


 とは言え今般、指導要領の本文に明記されましたことは、まさしく快挙というべきものと考えます。

それは、これまで「書写」が長年にわたり、ともすれば「習字」的な位置づけの下に、「文字を書く技能」の学習の位置に甘んじがちであったことに照らせば、この文言は、「書写」学習を新たなステージに導き、「文字文化」の一翼を担う学習としての新たな位置づけをもたらす可能性を開いた、ということが出来るのではないでしょうか。


 しかし一方、今日の社会一般の「文字文化」に対する認識、理解の在り方から致しますと、先ごろ全国大学書道学会の会報に寄稿された同学会会長、平形精一氏の一文に紹介された次のようなエピソードあたりが、大方のイメージではないかと思います。


 「私が、かつて勤務していた大学の国語科教科会議で、書写・書道の概念をふくらませて猜源文化瓩慮譴鮖箸辰燭箸海蹇国文学・漢文学の教員から、われわれの猜験忰瓩海淑源文化の最たるものだと、強く叱正されたことがあった…」


 そこで美術新聞社は、今回文科省が初めて「文字文化」という、いわば爐墨付き瓩鰺燭┐討れた機会に、「文字文化」をキーワードとしてこの時代の社会における書写・書道に対する認識の改善を図り、書写・書道の狠楼霧上瓩琉貊とするインパクトのある事業を模索、検討する中で、

「漢字能力検定」をはじめ、「世界遺産検定」「茶道文化検定」「神社検定」「和食検定」等々と多種多様な分野で花盛りの「○○検定」のヒソミに習った、「文字文化検定」を構想するに至った次第であります。


 従いまして、単に「文字文化」と言いますとその対象領域はかなり模糊とし、その範囲はほとんど際限なく広がりそうですが、この美術新聞社の構想は将来的にはともかく目下の狙いは、

今回の文科省の爐墨付き瓩鬚い錣亅狢腟銑瓩箸靴董△箸砲く「書写・書道と文字文化」「書写・書道における文字文化」「文字文化としての書写・書道」などと、

書写・書道とのつながりのある範囲での「文字文化」に関する知識・教養を深め、技能・技術を高め、また感性や愛着を育む場、そうした機会として、「検定」の形式を活用しようとするものであります。


 つまり、この「文字文化検定」は、あくまでも「書写・書道」と、「文字文化」との密接不離、不可分な関係を少しでも早く、正当に社会の認知を得るためのキッカケとし、手段として機能させていくことが、今まさに牋羝佑魴,蹐Δ箸靴討い覘疊術新聞社の願いであります。


 そして将来的には、確固とした態勢を整えた社会通信教育システムともして、文科省認定、文科省認可などを得た資格制度にまで育てられれば、あるいは高校や大学への進学にも役に立つものとなり、引いては書写・書道を恒久的にバックアップする活動、事業ともしていけるのではないかと考えております。


 どうか、書写・書道教育界の関係各位、また書道界・書塾界の関係各位の、幅広いご支援ご指導をお願い申し上げます。



(書道美術新聞 1107号1面 2017年10月1日付)



kayahara.com : 萱原書房・美術新聞社のサイトにて更に多くのニュース記事をよむことができます
http://kayahara.com

このニュース記事が掲載されているURL:
http://kayahara.com/modules/bulletin/index.php?page=article&storyid=1477