特別展「茶の湯」

掲載日: 17年04月15日 | カテゴリ: トップ記事

37年ぶり狠稟術疆
墨跡名品等 書蹟45点も
東博で6月4日まで開催
会場風景
 特別展「茶の湯」が4月11日、東京国立博物館・平成館で開幕した(6月4日まで)。
 
 同展は、我が国における「茶の湯」にまつわる美術の変遷をたどる企画展で、「茶の湯」をテーマにこれほどの名品を一堂にした展観は、1980年の同館での「茶の美術」展以来と言うから、実に37年ぶり。
 
 出品は、「曜変天目」をはじめとする茶道具類、牧谿筆「観音猿鶴図」をはじめとする絵画、そして「墨跡」をはじめとする書蹟など、国宝20点、重文79点、重美4点を含む計259点(添状を書蹟として数えると264点)で、このうち画賛を除いた書蹟は45点となっている。
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 「茶の湯」関係の書蹟名品の第1と言えば、どんな犇飢塀餃瓩砲癲現存最古、最高の墨跡とされる圜悟克勤(えんご・こくごん)筆「印可状・虎丘紹隆宛」(流れ圜悟)、そして第2は虚堂智愚(きどう・ちぐ)筆「偈頌・照禅者宛」(破れ虚堂)とあることは広く知られている。
 
 本展はむろん「茶」が主題の展覧会であるから、書蹟の出品は点数的には全体の5分の1にも満たないのだが、しかしその内容はというと、「流れ圜悟」、「破れ虚堂」の2大名品を含む、国宝10点、重文15点など合わせて45点であるから、書道界にとってもまさに必見の一展といえよう。
 
 「茶の湯を通して日本人が選び、創造してきた美術の変遷を室町時代から近代まで大規模に展観する」という主催者の弁の通り、▽第1章「足利将軍家の茶湯‐唐物荘厳と唐物数寄」、▽第2章「侘茶の誕生‐心にかなうもの」、▽第3章「侘茶の大成‐千利休とその時代」、▽第4章「古典復興‐小堀遠州と松平不昧の茶」、▽第5章「新たな創造‐近代数寄者の眼」という5つのパートで構成された会場は、日本の「茶の湯」の歴史と全体像が俯瞰できる、またとない機会となっている。

 そしてこのうち書蹟の展示について言えば、第1章では60点の展示品中に書蹟はゼロで、第2章では42点中14点(うち国宝1点)、第3章では88点中21点(うち国宝5点)と、侘茶とともに茶席で墨跡が珍重されていった歴史が、よく分かる。

 ただ、特に国宝、重文等の名品には、展示期間が限られているものが多いので、注意が必要である。



(書道美術新聞 第1097号1面 2017年4月15日付)



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