第32回 読売書法展開く

掲載日: 15年09月01日 | カテゴリ: トップ記事

「読売大賞」に大原氏
搬入点数17,393点 今年も4部門で減少


 第32回読売書法展・東京展が8月21日から30日まで、東京・六本木の国立新美術館と池袋のサンシャインシティ文化会館を会場に開催された。10年ぶりに臨書・模刻作品の搬入が認められた今回展の一般公募(会友含む)の搬入点数は漢字、かな、篆刻、調和体の4部門合わせて17、393点(前年比694点減)となり、全部門で前年を下回った。うち臨書・模刻作品での搬入は計739点だった。授賞面では、理事作家作品対象の同展最高賞、「読売大賞」に漢字の大原蒼龍(興朋会)が決まったのをはじめ、各賞の受賞者がそれぞれ決まった。(本紙6〜9面に関連記事)
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臨書・模刻搬入、739点
 同展は、応募資格を「17歳以上」(22年度までは18歳以上)とし、出品点数を「1人1点」と規定、複数作品出品者については失格とする厳しい運営方針をスタート以来貫いていることから、作品点数がそのまま参加者数を表す仕組みとなっている。このため、同展の搬入動向は書道界における公募展の参加動向を映す有力指標として注目されている。
 今回展に搬入された一般公募と会友作品合わせて17、393点をジャンル別にみると、漢字が前年比19点減の8、321点、かなが5、904点(376点減)、篆刻が585点(同78点)、調和体が2、583点(同221点)で、減少幅はほぼ横ばいの漢字部門を除くと、かな部門で5・99%、篆刻部門で11・76%、調和体部門で7・88%となっており、特に篆刻の2ケタ減が際立っている。


 今回展の鑑別・審査は145名の当番審査員が当たり、7月26日から8月1日までの7日間にわたって、例年通り東京・池袋のサンシャインシティ文化会館で行われた。
 まず鑑別については、従来通り「無鑑査」扱いの会友作品を除く公募の14、230点が対象となり、8、539点が入選した(入選率60%)。これに会友作品3、163点を合わせた11、702点が、入賞作品を決める審査の対象となった。
 調和体部門については、例年通り作者の専門分野別に第1部(漢字系作品)と第2部(かな系作品)に分けて、それぞれ漢字、かなの両部門の当番審査員が当たるシステムが踏襲された。

 審査の結果、理事作家作品を対象とする特別賞は、読売大賞1点が決まったのをはじめ、読売準大賞に漢字の尾■紫惺(由源社)、工藤聖泉(寄鶴文社)、宮負丁香(書星会)、かなの万殿紳水(水穂会)、吉澤劉石(千草会)、篆刻の小朴圃(篆社)、調和体の西村大輔(興朋会)、林浩一(香瓔会)の合わせて
 9名が決まった。
 幹事作家作品を対象とする読売新聞社賞には、漢字29点、かな23点、篆刻2点、調和体9点の計63点、同じく幹事作家作品対象の俊英賞には漢字59点、かな46点、篆刻4点、調和体18点の計127点、評議員作家作品対象の奨励賞には漢字109点、かな84点、篆刻7点、調和体36点の計236点が決まった。

 これらの授賞枠は、規定の点数スライド制により、削減されている。また同様に一般公募作品対象の特選には351点(13点減)、秀逸に1、521点(55点減)もそれぞれ決まった。
 なお、今回展の一般公募搬入作品のうち臨書・模刻作品の搬入は739点となったが、この内訳は臨書729点、模刻10点で、うち合わせて348点が入選し、44点が入賞した。この入選率は約53%で、同作品には別定の入選・入賞基準が適用されたとみられる。


 8月30日に開催を終えた東京展には、国立新美術館会場に5、144点、サンシャインシティ文化会館会場に3、102点の、合わせて8、246点が展示された。
 また、今回展の東京展では、最高幹部陣を含む執行役員の参事と常任理事以上の幹部作家による調和体作品30点がサンシャイン会場に特別展示され、大きな話題を呼んだ。
 同展は今後、例年通り全国7会場を巡回し、役員作品と各管轄地域の入賞・入選作品を展示する。



(書道美術新聞 第1059号1面 2015年9月1日付)



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