(1)      (昭和51年6月7日第三種郵便物認可)美術新聞社報 平成29年(2017) 11月21日(火曜日)
書道美術新聞【1面】
第40回日展五科(書)ひらく
掲載日: 08年11月01日
書道美術新聞【1面】

第40回日展五科(書)ひらく

「大臣賞」に樽本氏
会員賞 土橋氏
搬入1万点超、入選率9%


 第40回日展が、例年より2日早い10月31日、東京・六本木の国立新美術館で開幕した(12月7日まで)。

 今年の同展第五科(書)の搬入点数は1万573点(前年比75点減)となり、昨年に引き続き1万点を超えた。これに対する入選数は昨年より18点多い970点で、入選率は9.17%と4年ぶりに9%台を回復した。

 これらの入選作品に対する審査では別項の10作家が特選に決まったほか、役員・会員作家を対象とする特別賞選考で本展最高賞(評議員対象)の文部科学大臣賞に漢字の樽本樹邨、会員対象の会員賞にかなの土橋靖子がそれぞれ決まった。(本誌2〜4面に関連記事)



 日展は明治40年創設の文展(文部省展覧会)を前身として今年で101年の歴史を誇るが、戦後昭和33年に社団法人化され、さらに同44年(1969)に「改組日展」として再スタートしてから第40回展の節目を迎えた今年の日展は、昨年から移転した国立新美術館の公募展示室全室を使用、1階フロアに一科(日本画)と二科(洋画)の一部、2階フロアに日本画と洋画の一部と、三科(彫刻)、四科(工芸美術)、3階フロアに五科(書)がそれぞれ展示されている。


 今回展の五科の搬入点数は、漢字4,021点(前年比5点増)、かな3,914点(同86点減)、調和体1,970点(同84点減)、篆刻652点(同90点増)の計1万573点で、分野別では特に篆刻の大幅な増加が目立った。


 五科の鑑別・審査は、今年も東京・池袋のサンシャインシティ・ワールドインポートマート内で、日比野光鳳・審査主任をはじめとする例年通り17名の当番審査員によって行われた。


 まず鑑別の結果、入選は漢字461点(前年比21点増)、かな323点(同6点増)、調和体131点(同9点減)、篆刻55点(同数)の計970点で、この入選数のうち、今回狃蘰選瓩魏未燭靴燭里錬隠坑硬澄初入選の最高齢は82歳、最年少は23歳、平均年齢は56.29歳、前年より0.6歳高くなっている。


 今年の文科大臣賞に輝いた樽本樹邨「應詔讌曲水詩」は、「中国清時代に行われた楷書書法に立脚、金石の気を内蔵した構造性の強い線で、沈着にして重厚、清澄な気が横溢する意欲的な作」を授賞理由として受賞。


 また会員賞に決まった土橋靖子「良寛春秋」は、「自然な行の流れと適度の字間の美、落差のある墨量の変化が作品を引き締め、紙面を明るく見せている。筆先の利いた清澄な線は見る人をひきつける」を授賞理由として受賞した。会員賞は昭和56年から設置されたものだが、女性作家の受賞は平成8年の第28回展での小山やす子(かな)以来で、12年ぶり2人目となっている。


 特選受賞者には、例年通り10名が決まった。受賞者のうち、岡野楠亭、鬼頭翔雲、中路佳保里、永守蒼穹、日賀野琢、吉沢鉄之の6名が2度目の受賞で、これは前年より2名多い。また今回初めて特選を受賞したのは、秋山英津子、平松紫雲、村里桃苑、山本大悦の4名。


 受賞者のジャンル別は漢字5名、かな3名、調和体1名、篆刻1名で、この内訳に変化はない。


 会場には、これらの入選・入賞作品に役員、会員、無鑑査作家らの142点を加えた計1,112点が陳列された(物故作家を含む)。これらを展示する五科の3階フロアは25室からなり、展示ケースは書作品(帖、巻子)に46ケース、篆刻には9ケースが割り当てられ、壁面も工夫するなどして大幅増の展示数が確保されている。


 また今年は、篆刻の梅舒適、岡本白涛の両作家の作品が、黒リボンのついた遺作展示となっている。

 ◇ ◇ ◇

 今回展は、東京展終了後、12月13日からの京都展を皮切りに来年8月まで、名古屋、大阪、富山、福岡、長崎の各都市での巡回展が予定されている。



(書道美術新聞 第902号1,3面 2008年11月1日付)


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