(1)      (昭和51年6月7日第三種郵便物認可)美術新聞社報 平成29年(2017) 11月23日(木曜日)
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[蘭亭筆会]ベトナム展ひらく
掲載日: 12年12月01日

 “苦難”乗り越え実現
ホーチミンで
各国・地域、一丸の結束


 第28回国際蘭亭筆会書法展・ベトナムホーチミン展が11月24日から30日まで、ホーチミン市2区の奇龍美術館(李克柔館長)で開催された。
 
 今回展の参加は日本、韓国、台湾と地元ベトナムの4カ国・地域で、最近の東アジアをめぐる国際情勢緊迫のあおりで、参加準備を進めていた中国などが作品搬入を見送ったこともあり、現地持ち込み作品は日本74点、韓国73点、台湾75点の計222点。
 
 これにベトナム・ホーチミン書法会からの29点の友情出品があり、合わせて総点数251点による開催となった。(2面に関連記事)

 ◇ ◇ ◇

 国際蘭亭筆会本部(萱原晋事務総長)が毎年、各国・地域で現地の「蘭亭筆会」組織と連携して開催している同展の「第28回」。
 
 今回の、1)狄汎癲蹐箸發い┐詬亭筆会系の協力組織が存在せず、2)「漢字文化圏」でもなく、3)共産主義国、という3重のハードルが見込まれた「ベトナム展」については、当初から「作品内容のベトナム語釈文を付すこと」という条件が提示されており、さらに「出品者全員の身分証明書」提出を要求されるなど、数々の未経験の難題を乗り越えて参加準備を進めてきた各国・地域の蘭亭筆会関係者の前に、会期直前になって「展示不許可」という政府命令が下され、開催不能に追い込まれかけた経緯は、既報の通り。
 
 
 そして事態が、南シナ海の南沙・西沙諸島の領有権問題に絡む越・中両国間の関係悪化に伴う問題であることは明らかだったから、既に30年近い「蘭亭筆会」の国際交流の歴史を振り返れば類似の事例もなかったわけではないので、事が「中国作品NO」、「中国代表団の入国NO」程度なら、関係者がこれほどうろたえることはなかっただろう。
 
 だが、予定会場だった国立美術館で「漢字が書いてある作品は一切展示してはならない」という命令には、恐らく漢字文化圏のすべての「書」関係者が驚愕したといっても、過言ではないかもしれない。
 
 
 このため国際本部では一時、今回現地では、既に出発準備を整えている各国の代表団同士の交流行事だけを例年通り実施し、展覧会は台湾など第三国に代替会場を確保して「ベトナム凱旋展」とする爛Ε襯肇蕋鱈瓩眇新に検討したのだった。
 
 
 だが結論的には、現地の関係者らの奔走もあって、個人美術館での開催なら黙認されることとなり展示するギャラリーも確保できたことから、19日からの予定だった会期を五日ずらし、もともと開幕式を予定していた24日からの開催に、漕ぎつけたわけである。
 
 開幕式では、ほとんど諦めていた現地の政府機関であるホーチミン美術協会発行の全出品者に対する「出品紀念状」が、協会会長から直接参加各国・地域の代表らに手渡されるサプライズなどもあって、例年と変わらぬ和やかな開幕風景となった。
 
 
 ただそんな中で、会場入り口に掲げられた4カ国・地域の出品者名簿の掲示パネルは漢字を一切使わず全てアルファベット表記となっていて、今回展の種々の経緯を雄弁に伝えているようだった。
 
 
 なお恒例の各国・地域からの参加者と現地書法界関係者らとの合同懇親食事会も開幕当日の夜、ホーチミン市内のウインザープラザホテルで賑やかに催された。
 
 
 ともあれ、今回展が曲がりなりにも実現出来たことは、ベトナムを含む各国・地域の関係者らが一致結束、一丸となってギリギリの努力を結集した結果であり、「蘭亭筆会」の歴史に大きな1ページとして残ることは、間違いないところだろう。
 
 
 国際本部では、来年の第29回展について、現地で持たれた各国代表者会議で第1候補地をドイツ、予備候補地を韓国とする方向が示されたことから、早期に会場探しをする方針にしている。
 
 
 国際蘭亭筆会に関する問い合わせ等は、TEL03−3462−5251 FAX03−3464−8521、美術新聞社内の事務局へ。



(書道美術新聞 第996号1面 2012年12月1日付)


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