(1)      (昭和51年6月7日第三種郵便物認可)美術新聞社報 平成29年(2017) 11月24日(金曜日)
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韓国圓光大・「書芸学科」消滅の危機
掲載日: 12年02月01日

志願者減で窮地に
政府当局 財政支援制限大学に指定


 韓国初、各国にも先駆けて「書芸学科」を開設した韓国“書道系大学”の雄、圓光大(韓国・益山市)が昨秋、所管の教育科学技術部から政府財政支援制限大学に指定されて、志願者の減少などで所期の成果を上げていない学科等の再編や経営の効率化を求められ、その改善対象に書芸学科も含まれたことから同学科の存続が危ぶまれる事態となっている。
 
 このため大学側では、デザイン学科等との合科などの方策を検討中と伝えられるが、新年度(本年3月スタート)は入学者も一定数確保できたことから、当面は現状維持を続けながら、抜本的な改革の道を探る考えのようだ。

 ◇ ◇ ◇

専門学科設置の草分け
 
 同大は韓国の中西部、全羅北道益山市に本拠を置く仏教系の総合私立大。
 
 その書芸学科はキャンパス内に三階建の完備した専用学科棟をもち、学生定員40名、専任教員4名で1989年にスタートした。
 
 そして設置4年後のいわゆる“完成年次”に合わせて進学者を受け入れる大学院も博士課程まで整備し、その後に続いた日本の大東文化大をはじめとする各大学の“書道系学科”にとっても、まさに「モデル」と見なされてきた存在。
 
 
 当初は書芸界だけでなく一般社会の関心も高く、入試倍率も常に3〜4倍を維持したため入学者の偏差値も予想以上に高く、また社会人入学も一時は4割近くにまで達したといわれる。
 
 この活況を見て、韓国各地の有力私大の間に「圓光に続け」と書芸学科開設の動きが急拡大、ピーク時には合わせて五大学に書芸学科が存在した。
 
 
 しかし、学科創設当初から一部で懸念され、認可権をもつ行政当局による審査段階でも厳しく指摘されていたといういわゆる“出口問題”、卒業者の就職難が現実のものとなって、結果的に大半の卒業者が大学院に進学する状況が続いたことや、各大学の学科の乱立で志願者を奪い合う冬の時代が到来し、真偽は確認した訳ではないが、「某大学の書芸学科は今年、30名の定員に志願者は3名だった」などといった、今日を予言するような風説が聞こえ初めてからでも、もうかれこれ10年以上になる。
 
 
 こうした事態に、大邱市の啓明大など二校が既に書芸学科の学生募集停止や学科の廃止に踏み切り、現在も書芸学科を擁するのは京畿大、大田大と圓光大の3校のみとなっている。
 
 
 ただ、初期の90年代に各大学の書芸学科に学んだ学生は学力的にも、また研究意欲も高かったこともあって、送りだされた「書芸学博士」のレベルは高く、論文の質も水準以上といわれるから、彼らの中から将来の韓国書芸界を背負う人材が輩出することは、間違いなさそうだ。



(書道美術新聞 第977号1面 2012年2月1日付)


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