(1)      (昭和51年6月7日第三種郵便物認可)美術新聞社報 平成29年(2017) 10月22日(日曜日)
書道美術新聞【1面】
第43回日展五科〔書〕開幕
掲載日: 11年11月01日
書道美術新聞【1面】

五科〔書〕入選・入賞懇親会(11月27日)「大臣賞」に関正人氏
篆刻部門21年ぶり
調和体入選、8年ぶり7%台


 第43回日展が10月28日、東京・六本木の国立新美術館で開幕した(12月4日まで)。
 
 今年の同展五科(書)の搬入点数は1万346点(前年比73点減)、これに対する入選数は前年比7点減の967点で、入選率は9・34%と、昨年とほぼ同水準となった。
 
 これらの入選作に対する審査の結果、別項の10名が特選に決まったほか、役員・会員作家作品に対する特別賞選考では、評議員対象の最高賞、総理大臣賞に篆刻部門の関正人、会員対象の会員賞には漢字部門の山本悠雲がそれぞれ決まった。(本紙4面につづく)

 ◇ ◇ ◇
関正人氏

山本悠雲氏
開幕式風景(11月28日)会場風景(特選作品のある壁面)


 今年の日展各科は例年通り、国立新美術館の公募展室全室を使用して、1階フロアに一科(日本画)と二科(洋画)の一部、2階フロアにも日本画と洋画の一部と、三科(彫刻)、四科(工芸美術)、3階フロアに五科(書)がそれぞれ展示されている。
 
 
 今回展の五科の搬入点数は、漢字が3、951点(前年比106点増)、かなが3、818点(同144点減)、調和体が1、870点(同64点減)、篆刻が707点(同29点増)で、部門別では近年不振だった漢字部門が100点を超える増加をみせ、篆刻部門も4%超の増加となったが、かな、調和体の両部門がそれぞれ3%余減少したため、五科全体では前年を下回る結果となった。
 
 
 今年の五科の鑑別・審査と、特選作品の選考は10月7日から12日まで、例年通り東京・池袋のサンシャインシティ・ワールドインポートマートで池田桂鳳審査主任をはじめとする17名の当番審査員によって行われた。
 
 
 入選作品967点の部門別内訳をみると、漢字が456点(前年比13点減)、かなが324点(同1点減)、調和体が132点(同7点増)、篆刻が55点(同数)となっており、各部門の入選率は漢字が11・54%、かなが8・48%、調和体が7・05%。篆刻が7・77%で、調和体の入選率が8年ぶりに7%台に戻ったことが目立っている。
 
 今回展の新入選者は178名で、これは昨年より20名少ない。新入選者の最高齢は85歳、最年少は22歳、平均年齢は55・8歳となっている。
 
 
 授賞面では、今年総理大臣賞に決まった関正人の篆刻「大道無門」は、「引き締まった厳しい線と緻密な構成、その余白に発生した深遠な響き、格調の高い正道を歩む作品」と評価された。篆刻の大臣賞受賞は平成2年の吉野松石以来で、21年ぶり。また会員賞に決まった山本悠雲の漢字「窮巷」は、「東坡風の格調をそなえた、重厚で圧力のある作品」と授賞理由が発表された。
 
 
 特選には、例年通り10名が決まった。受賞者のうち梶山夏舟、上林三玲、新谷泰鵬、柳涛雪の4名が2度目、伊藤仙游、岩田海道、柴原月穂、野田正行、山際雲峰、吉田成美の六名は初の受賞となっている。受賞者のジャンル別は漢字5名、かな3名、調和体1名、篆刻1名で、この内訳は例年通り。
 
 
 会場には、これらの入選・入賞作品に役員、会員、無鑑査作家らを加えた計1、115点(昨年比5点減)が陳列されているが、このうち漢字の阿部醒石、稲垣菘圃、今井凌雪、田中東竹、種村山童、広津岱雲、かなの小山素洞、光宗道子、篆刻の菅原石廬の物故作家9名が、遺作展示となっている。
 
 
 なお、今年も五科の展示室数は24室だが、昨年同様、巻子、帖、篆刻用に計72ケース(昨年比1ケース増)を設置して作品の開帳面積も出来るだけ広げ、また壁面も展示方法に工夫が加えられており、例年より見やすい会場と好評を呼んでいる。



(書道美術新聞 第971号1面 2011年11月1日付)


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