(1)      (昭和51年6月7日第三種郵便物認可)美術新聞社報 平成29年(2017) 11月23日(木曜日)
書道美術新聞【1面】
第41回日展五科(書)開幕
掲載日: 09年11月01日
書道美術新聞【1面】

「大臣賞」に黒田氏
戦後世代
初の受賞 五科搬入、今年も1万点超



 第41回日展が10月30日、東京・六本木の国立新美術館で開幕した(12月6日まで)。
 
 今年の同展第五科(書)の搬入点数は1万0426点で、前年比では147点の減となったものの都美術館から同館に会場を移して以降、3年連続で1万点を超えた。一方、入選数は同4点増の974点で、入選率は9・34%と前年比では若干上がった。審査結果については、特選に決まったのは別項の10作家で、また役員・会員
 
 作家対象の特別賞選考では、評議員対象の最高賞、内閣総理大臣賞に、かなの黒田賢一(62)が、会員対象の会員賞には漢字の真神巍堂(66)が、それぞれ決まった。
 

 ◇ ◇ ◇


 今年の日展は例年通り、国立新美術館の公募展用の展示室全室を使用して開催。
 
 1階フロアに一科(日本画)と二科(洋画)の一部、2階に日本画と洋画の一部と三科(彫刻)、四科(工芸美術)が、3階に第五科(書)がそれぞれ展示されている。
 
 
 今回展の五科の搬入点数の内訳は、漢字3、926点(前年比95点減)、かな3、880点(同34点減)、調和体1、920点(同66点減)、篆刻700点(同48点増)で、部門別では篆刻部門が4年連続で増加していることが目立っている。
 
 
 今年の五科の鑑別・審査は10月9日から、例年通り東京・池袋のサンシャインシティ・ワールドインポートマートで行われ、栗原蘆水審査主任をはじめとする17名の当番審査員によって、まず調和体部門の入選者を決め、次いで漢字、かな、篆刻の各部門に分かれて鑑別・審査が行われた。
 
 
 その結果、入選は漢字466点(前年比5点増)、かな326点(同3点増)、調和体127点(同4点減)、篆刻55点(同・同)の計974点(同4点増)となり、各部門の入選率は漢字が11・87%、かなが8・40%、調和体が6・61%。
 
 篆刻が7・85%で、全体として9・34%(前年比0・17ポイント増)となった。
 
 この入選数のうち、初入選は184点(同15点減)で、初入選の最高齢は83歳、最年少は23歳、平均年齢は56・42歳となっている。
 
 
 授賞面では、初の戦後世代作家として今年の内閣総理大臣賞に輝いた黒田賢一「静寂」は、「凛とした生気あふれる線、字座の清澄な空間、気韻生動の美が感じられる作」、また会員賞に決まった真神巍堂「于謙詩」は、「沈着、冷静で情懐豊かな書は、誇張や装飾性を極力おさえつつ、線や潤渇の妙は見事」などと、授賞理由が発表されている。
 
 
 また、特選受賞者10名については、井上清雅、植松龍祥、平松紫雲の3名が2度目の受賞で、なかでも平松紫雲は連続受賞となっている。
 
 今回初めて特選を受賞したのは、新井茜舟、稲村龍谷、金谷雷声、上林三玲、北山転石、近藤浩乎、田頭央 の7名で、初受賞が7割まで占めたのは平成13年以来で、8年ぶり。
 
 なお、特選受賞者のジャンル別は漢字が5名、かな3名、調和体1名、篆刻1名で、例年通りの内訳となっている。
 
 
 会場には、これらの入選・入賞作品に役員、会員、無鑑査作家らを加えた計1、117点(物故作家を含む)が展示されており、今年の五科の展示室数は前回展より1室少ない24室ながら、展示ケースを大幅に増設するなどして巻子の開帳面積を広げたり、また壁面も展示数を確保しながら作品間にゆとりを持たせるなど、展示方法にも工夫がこらされている。
 
 今年は、近藤摂南、松下芝堂、加藤大碩が遺作展示となっている。
 
 
第41回日展巡回日程
▽京都展:12月12日〜1月15日・京都市美術館
▽名古屋展:1月27日〜1月14日・愛知県美術館ギャラリー
▽大阪展:2月20日〜3月28日・大阪市立美術館
▽福岡展:4月24日〜5月16日・福岡市美術館
▽金沢展:5月22日〜6月13日・石川県立美術館
▽大分展:7月8日〜8月8日・大分県立芸術会館



(書道美術新聞 第925号1面 2009年11月1日付)


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